身も心も冷えますねえ…

 六代目松鶴さんが、「師匠、寒おまんなぁ」に対して「ワシのせいやないわい」と一喝。さぞや、冥土で怒ってはるでしょうねぇ。落語が出来ないのを逆手にとって、バラエティーを中心に荒稼ぎしている、不肖の弟子を。師の十八番の「らくだ」(米朝一門でいえば『地獄八景亡者の戯れ』にあたる大ネタ)を各所で垂れ流し、和魂洋才流行歌手などに、「聴いたことが無かったが、面白い」と言われたと、恥ずかしげも無く披露し、悦に入るという醜態を晒す。先人が練り上げた噺、素で読んでも、その筋立てなどだけで、大笑いなわけでして、そこに、あの御仁の、声や仕種を交じえても台無しにまでは至らず、それなりのかたちになるところなどは、さすが、上方古典落語。『らくごのご』辺りから、危惧していたのですが、昨今の思い上がり、暴言暴挙は目に余るものがあります。
 関西でラジオを中心に活動していた頃は、番組を毎週、録音し、聴きなおしたいだろう箇所を編集ダビングしていたものです。フリートーク、素人(に毛の生えた某女芸人を含む)いじりには、天性のものは感じられます。まぁ、エエとしして「ネタ三つ」と揶揄されても辛かろうとは思いますが、この方が落語家でござい、とエラそうにしておられる姿を見せられるにつけ、本職の咄家さんに、しっかりしていただきたいと思う今日此の頃です。
 陣内さんでは分かりにくかった、「悪例」を、追加しておきます。